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移住者
うさこ、戦う




移住者  最果タヒ


だれも来ない街だから、だれもでていっちゃだめなんだよ、

この世でもっとも好きなのは、きみのいない世界、すべてからきみだけが抜けて、なくなった世界で、よかったね、きみは銀河系から出られた、ということにして、きみだけをのけ者にした世界、あるんだよ、知らないの、そこに生まれなくて良かったね

かわいいなあって言っていたんだけど部屋にかわいいものなんてひとつもなかった 森に住もうよ、カラスなんて呼ばないから、伝書鳩だってあやつるから、バラを育てるのがじょうずなお嬢さんを、隣人にしよう もう ビルを振ったってなにも出てきやしないよ
しりとりがくだらなくて
くだらなくて
遊ぶことがなくなって
眠っていた時間を計上して
死んでいるのとかわらない! と、叫んだ
あいつ
ばかじゃないのか

世の中はそれを狂気と呼びます、けれど私は青春と名付けてやりたいのです、「ボランティアじゃないよ」、西の世界はすべてもえているとき、焦げてはがれた青空の奥から現れたまっくろ、星と月は私が食べました、救いようのない黒に、きみたちは眠ることを選択して、ほら、それが間違いだった

恥ずべき姿で幸せだから手を叩いている姿を鏡にうつして、
だれかが、今日もなんにもなかったと言う
地表が全部つながっているってうそだ
戦争なんて目に見えないし
投身自殺も知らぬ間に起きる
知らぬ間

赤い糸で人がつながっているんだと信じていた頃、
絡まるのがいやで空に浮いていたかった




うさこ、戦う
       最果タヒ


本来この学校は海に沈んでいるべきだった。
右往左往している鮫はどうしたらいいんだ。私はそのせいで黒板が見えない。同情はするが、きみは人喰いだしなぁ。しかし見捨てたらわたしも鮫殺しとして魚類に恨まれるかも。
黒板が見えない。

私は兵士です、と突然教室で叫んだらいったいきみはどうしますか。消しゴムを貸してくれますか。私の二世になってくれますか。アポロがやってくる。私をつれていく。その後のことはきみに頼んだ。ゴジラをやっつけるのだ。いいか悪いかは知らないけれど、とにかくやっつけるのだ、きみにしかできない。アポロの中はイチゴのにおいでいっぱいだろう。

左手でたたいた人がある日とつぜん破裂をしたりとか、そんなことを想像すると毎日つらい気持ちになるね。知らない女性がいきなり訪れあなたのせいで彼は死んだとか言われたらどうするよとマクドナルドでストローを割る。いやしらないよ、ないよそんなことと答えるきみはいいね。寝ているまにブランコにのせられ往復し、そしてまたベッドにもどされているとは知らないんだろう。

私本当は人じゃないのかもと、ビームを出すとき思います。

死ねばそのうちメールボックスが、破裂するから気づいてね。悪いゴジラかいいゴジラか私だって知らずに戦っているよ。私の暴力にきみの名をつけた。それが愛ってことで、もういいだろう。






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